安倍荒倉岳
安倍荒倉岳(あべあらくらだけ、標高2,693m)は長野県伊那市と静岡県静岡市葵区にまたがる赤石山脈(南アルプス)の山で、日本百高山のひとつ。
仙丈ヶ岳と塩見岳を結ぶ長大な仙塩尾根の中ほど、熊ノ平小屋のすぐ南に位置する、樹林に囲まれた静かなピーク。三角点は縦走路からわずかに外れた所にあり、展望は限られるが、営業小屋が少なく登山者もまばらな南アルプス屈指の静寂の尾根歩きが味わえる。単独で登る対象ではなく、北沢峠から仙丈ヶ岳を越えて仙塩尾根を南下する縦走、または塩見岳側からの縦走の途中で踏む山。公共交通では長野県側の戸台パークから南アルプス林道バスで北沢峠へ入るのが起点となる。
起点の北沢峠(標高約2,030m)から仙丈ヶ岳に登り、大仙丈ヶ岳・三峰岳を経て仙塩尾根を南下し、熊ノ平小屋(標高約2,500m)に泊まって安倍荒倉岳に立つのが一般的。北沢峠から熊ノ平小屋までは長丁場で途中に営業小屋がほとんどなく、1泊2日以上の行程となる。熊ノ平小屋を拠点に安倍荒倉岳・新蛇抜山方面を往復し、塩見岳まで縦走して鳥倉登山口(伊那大島駅側)へ抜けるロングコースも組める。
最寄りの営業小屋は熊ノ平小屋で、2026年は小屋の修繕工事のため小屋泊は7月11日〜8月31日(予定)、テント泊・物品販売は工事終了まで継続の見込み(完全予約制・予約は6月頃から・℡03-6265-6967ほか)。最新の営業状況は予約時に必ず公式で確認する。水場は熊ノ平小屋にある。森林限界に近い長い尾根でエスケープが難しく、十分な装備と体力をもつ経験者向けの山。
登山口(北沢峠)までのアクセス
1.【行き】茅野駅/伊那 → 戸台パーク → 北沢峠
北沢峠へは長野県側の戸台パーク(旧仙流荘)が玄関口。JR中央本線の茅野駅からJRバス関東「南アルプスジオライナー」で戸台パークへ向かい、南アルプス林道バス(クイーンライン)に乗り継いで北沢峠に入る。土曜は伊那バスターミナル(JR飯田線・伊那市駅から徒歩約3分)発の「モーニングジオライナー」(伊那BT4:30発→戸台パーク5:10着・950円)で始発の林道バスに接続できる。
※山梨県側の広河原〜北沢峠間は2019年の台風被害で通行止めが続いており、車両での北沢峠アクセスは戸台パーク側のみ。林道バスは現金のみで、券売機は始発の約30分前から販売。
バス時刻表①:茅野駅 → 戸台パーク(南アルプスジオライナー・往路)
| 茅野駅 発 | 戸台パーク 着 |
|---|---|
| 10:40 | 11:45 |
バス時刻表②:戸台パーク → 北沢峠(南アルプス林道バス・往路)
| 戸台パーク 発 | 北沢峠 着 |
|---|---|
| 5:45(毎日・始発) | 6:35 |
| 6:30(休日) | 7:20 |
| 8:05 | 8:55 |
| 10:05 | 10:55 |
| 12:10 | 13:00 |
| 14:20 | 15:10 |
参考:[伊那市 南アルプス林道バス]
2.【帰り】北沢峠 → 戸台パーク → 茅野駅
下山後は北沢峠から南アルプス林道バスで戸台パークへ下り、南アルプスジオライナーで茅野駅へ戻る。長い縦走の下山となるため、林道バス・ジオライナーの最終便(戸台パーク17:00発→茅野駅18:24着)に十分な余裕をもって行動する。塩見岳側へ抜ける場合は鳥倉登山口から伊那大島駅方面のバスを利用する。
バス時刻表③:北沢峠 → 戸台パーク(南アルプス林道バス・復路)
| 北沢峠 発 | 戸台パーク 着 |
|---|---|
| 7:30 | 8:15 |
| 10:00 | 10:45 |
| 13:10 | 13:55 |
| 15:00 | 15:45 |
| 16:00(最終接続) | 16:45 |
バス時刻表④:戸台パーク → 茅野駅(南アルプスジオライナー・復路)
| 戸台パーク 発 | 茅野駅 着 |
|---|---|
| 17:00 | 18:24 |
参考:[伊那市 南アルプス林道バス]
登山ルートと安全上の注意
ルート(仙塩尾根縦走):北沢峠 → 仙丈ヶ岳 → 大仙丈ヶ岳 → 三峰岳 → 熊ノ平小屋(1泊)→ 安倍荒倉岳。北沢峠から熊ノ平小屋までは長く、健脚でも仙丈ヶ岳泊または馬ノ背ヒュッテ・両俣小屋などを挟む1泊2日以上が現実的。安倍荒倉岳は熊ノ平小屋から塩見岳方面へ歩き始めてすぐの樹林帯のピークで、三角点は縦走路の脇にある。
宿泊(熊ノ平小屋):仙塩尾根のほぼ中間、標高約2,500mに建つ静岡市営の山小屋。2026年は修繕工事のため小屋泊は7月11日〜8月31日(予定)、テント泊・物品販売は工事終了まで継続の見込み。完全予約制で、予約は6月頃から特種東海フォレスト等で受付(℡03-6265-6967/0547-46-4717)。水場・テント場あり。営業期間・予約方法は必ず事前に公式で確認する。
仙塩尾根の長さ:仙丈ヶ岳〜塩見岳を結ぶ仙塩尾根は南アルプス有数の長大な縦走路で、営業小屋が少なくエスケープルートも限られる。行程に対して食料・水・予備日を十分に用意し、天候判断を厳しく行う。
別ルート:南側からは鳥倉登山口(伊那大島駅から季節バス)→ 三伏峠 → 塩見岳 → 北上して安倍荒倉岳に至るルートもあり、塩見岳と組み合わせた縦走が組める。いずれも複数日を要する上級コース。
気象・装備:標高2,700m級の主稜線で、天候の急変・強風・落雷・寒さに備える。地形図とコンパス(GPS)、雨具、防寒着、ヘッドランプ、十分な行動食を携行する。適期は熊ノ平小屋の営業に合わせた7月中旬〜9月。
緊急時:遭難・事故時は110番(警察)・119番(消防・救助)へ。長野県側・静岡県側とも携帯の通じない区間が多いため、登山届を必ず提出する。
Photo by Alpsdake / Wikimedia Commons, Public domain
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