大籠岳
大籠岳(おおこもりだけ、標高2767m)は山梨県と静岡県の境にそびえる南アルプス・白峰南嶺の一峰で、日本百高山のひとつ(標高第73位)。
白河内岳と広河内岳の間に位置するハイマツと這松帯の穏やかな頂で、農鳥岳から南へ延びる白峰南嶺の縦走路上にあり、塩見岳や富士山を望む静かな稜線歩きが楽しめる。登山道の起点は奈良田で、笹山ダイレクト尾根で笹山(黒河内岳)に登り、白峰南嶺を北上して白河内岳・大籠岳・広河内岳をたどる縦走で踏むのが一般的。稜線上に山小屋はなくテント泊が基本で、健脚向けの長大なルートとなる。
玄関口は奈良田。身延線の駅から早川町の乗合バスで奈良田に入れ、公共交通でアプローチできる。
登山の起点は奈良田で、笹山ダイレクト尾根(往復約13km・登り約1944m)で笹山に登り、白河内岳(2813m)→ 大籠岳(2767m)→ 広河内岳(2895m)と白峰南嶺の稜線をたどる。奈良田から笹山南峰まで約6時間30分の急登、笹山北峰から大籠岳までは稜線を約2時間30分、北の広河内岳・大門沢下降点を経て大門沢へ下る周回が王道で、標準は2泊3日(健脚なら1泊2日)。稜線上に小屋はなく、白河内岳〜大籠岳付近の幕営適地でテント泊し、下山途中の大門沢に大門沢小屋がある。
水場は笹山ダイレクト尾根の中腹のみで稜線上にはないため、十分な水を担ぐ。適期は6月下旬〜10月で、それ以外は残雪・凍結に注意。地形図とコンパス(GPS)が必須。
登山口までのアクセス
1.【往路・復路】下部温泉駅・身延駅 → 奈良田(笹山ダイレクト尾根登山口)
玄関口の奈良田へはJR身延線の下部温泉駅または身延駅から、早川町の乗合バスで奈良田温泉へ向かう(身延駅から約1時間30分・運賃1000円、大型ザックは別途200円、ほぼ通年運行)。夏季は甲府駅から山梨交通の南アルプス登山バス(甲府〜広河原で乗り換え、広河原〜奈良田)でも入れる(例年6月下旬〜11月上旬の季節運行)。奈良田温泉で前泊して早朝に登り始めるのが安全で、いずれもバスの時刻と運行期間を早川町・山梨交通の公式情報で事前に確認する。
– 早川町乗合バス(早川町役場)0556-45-2511 / 山梨交通 055-223-0821
参考:[早川町 公式サイト]
大籠岳の登山ルートとコースタイム
ルート①:白峰南嶺周回(王道・2泊3日/健脚1泊2日)
奈良田 → 笹山ダイレクト尾根登山口 → 水場入口 → 笹山(黒河内岳)南峰・北峰(奈良田から約6時間30分) → 白河内岳(2813m・約1時間30分) → 大籠岳(2767m・約1時間) → 広河内岳(2895m・約1時間45分) → 大門沢下降点(約20分) → 大門沢小屋(約2時間) → 奈良田(約3時間)。笹山ダイレクト尾根は標高差約2000mの急登が続く上級ルートで、初日は笹山〜白河内岳付近の幕営適地でテント泊、翌日に大籠岳・広河内岳を越えて大門沢へ下る周回が一般的。白河内岳〜大籠岳〜広河内岳の稜線はハイマツ帯で展望がよい一方、踏み跡が不明瞭な箇所や崩壊地があり、ルートファインディングを要する。
ルート②:笹山からの往復(大籠岳ピストン)
笹山ダイレクト尾根で笹山北峰に登り、白河内岳を越えて大籠岳を往復する。笹山北峰から大籠岳までは片道約2時間30分。周回せず奈良田へ往路を戻る形で、大門沢の下りを使わない分ルートは単純だが、笹山往復+稜線往復となり行程は長い。いずれも水場が限られるため、稜線へ上がる前に十分な水を確保する。
山小屋・テント泊
白峰南嶺の稜線上には山小屋がない。笹山〜白河内岳〜大籠岳〜広河内岳の区間は無人の稜線で、白河内岳〜大籠岳付近の平坦地でのテント泊が基本となる(指定地ではないため、自然保護に配慮し最小限にとどめる)。水場は笹山ダイレクト尾根の中腹にあるのみで稜線上にはないため、テント泊の水は担ぎ上げる。
大門沢小屋(大門沢ルート上・標高約1750m):周回で広河内岳から大門沢へ下る途中の山小屋で、2026年の営業は7月1日〜10月14日。電話予約制(℡090-7635-4244・受付9:30〜17:00)。チェックインは14:00〜16:00。下山日にここで1泊すれば、大門沢の長い下りを翌朝に分けられる。
奈良田温泉:登山口の奈良田には宿泊施設があり、前泊・後泊の拠点になる。いずれも公式サイト・電話で予約・営業期間を確認する。
危険箇所・装備・適期
難易度:大籠岳は登山道整備が手薄な白峰南嶺の奥に位置し、笹山ダイレクト尾根の急登+長い稜線縦走+テント泊を要する体力・経験ともに上級者向けのルート。日帰りは健脚者でも15時間級の長丁場になる。
笹山ダイレクト尾根:奈良田から笹山まで標高差約2000mの急登が連続する。早出を徹底し、ペース配分と水分管理に注意する。
稜線のルートファインディング:白河内岳〜大籠岳〜広河内岳はハイマツ帯で踏み跡が不明瞭な箇所や崩壊地があり、ガス時は迷いやすい。地形図・コンパス(GPS)を必携し、視界不良時は無理に進まない。
水場:水場は笹山ダイレクト尾根中腹のみで、稜線上にはない。テント泊・縦走に必要な水をあらかじめ担ぎ上げる。
エスケープの乏しさ:稜線上に小屋や容易な下山路が少なく、悪天時の撤退が難しい。天気が崩れる前に行動を切り上げる判断が重要。
適期・装備:適期は6月下旬〜10月。それ以外は残雪・凍結に注意。雨具・防寒着・ヘッドランプ・テント泊装備・十分な水と行動食を携行し、登山計画書を必ず提出する。
緊急時:遭難・事故時は110番(警察)・119番(消防・救助)へ。
・早川町役場 0556-45-2511 / 南部警察署 0556-64-2611
Photo by Alpsdake / Wikimedia Commons, Public domain
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