剣御前
剣御前(つるぎごぜん、標高2,777m)は富山県立山町に位置する北アルプス・立山連峰の峰で、日本百高山のひとつ。
剱沢を挟んで剱岳と正対する稜線上のピークで、別山乗越に立つ剱御前小舎のすぐ上にあり、「剱岳の絶好の展望台」として知られる山岳写真の名所。剱岳本峰のような鎖場はなく、室堂から雷鳥沢・雷鳥坂を登って山頂を往復できる、立山連峰の中では比較的登りやすい一座。公共交通では立山黒部アルペンルートで室堂まで入り、そこから歩いて登る。
起点は立山黒部アルペンルートの室堂(標高約2,450m)で、室堂ターミナルからミクリガ池・雷鳥荘を経て雷鳥沢キャンプ場(浄土橋)へ下り、雷鳥坂の急登を登って別山乗越(剱御前小舎・標高約2,750m)へ。乗越から尾根づたいに約20〜30分で剣御前の山頂に立つ。室堂から剣御前まで登り約3時間、下り約2時間30分で、健脚なら日帰りも可能だが、剱御前小舎や雷鳥沢で1泊し別山・剱岳とあわせて歩く登山者も多い。
稜線の宿は剱御前小舎(別山乗越・2026年は4月28日〜10月17日宿泊営業・電話予約のみ・℡080-8694-5076〔受付7:00頃〜19:50頃〕)。適期は残雪が落ち着く7月中旬〜10月上旬で、それ以前の残雪期は雷鳥坂の雪渓通過に前爪アイゼン・ピッケルが必要。別山乗越から先の別山・剱沢・剱岳方面はより上級のルートで、本記事の対象は室堂からの剣御前往復。
登山口(室堂)までのアクセス
1.【行き】立山駅 → 美女平 → 室堂
富山側の起点は富山地方鉄道の立山駅で、立山ケーブルカーで美女平へ(約7分・1,090円)、美女平で立山高原バスに乗り継いで室堂へ(約50分・3,000円)。美女平が乗継ハブで、ケーブルとバスを乗り継ぐ全行程は下表の接続のとおり。室堂ターミナルがそのまま登山の起点となる。
運行期間:通常ダイヤ 2026年4月15日〜11月3日(年度PDF)。
時刻表①:立山駅 →(ケーブル)美女平 →(高原バス)室堂(往路・接続)
| 立山駅 発(ケーブル) | 美女平 着 | 美女平 発(高原バス) | 室堂 着(目安) |
|---|---|---|---|
| ▼06:40 | 06:47 | ▼07:00 | 07:50 |
| 07:20 | 07:27 | 07:40 | 08:30 |
| 08:00 | 08:07 | 08:20 | 09:10 |
| 08:40 | 08:47 | 09:00 | 09:50 |
| 09:20 | 09:27 | 09:40 | 10:30 |
| 10:40 | 10:47 | 11:00 | 11:50 |
| 13:00 | 13:07 | 13:20 | 14:10 |
| 15:40 | 15:47 | 16:00 | 16:50 |
▼印=特定運行日のみ(4/15〜5/15、7/18-19、8/11〜15、9/19〜22、10/10-11)。便数は時期で増減するため、登山口着が早い午前便を基本に計画する。
登山口:室堂ターミナルが起点。ターミナルからミクリガ池・雷鳥荘を経て雷鳥沢へ下り、雷鳥坂を登る。マイカー:立山駅前の駐車場に停め、ケーブル+高原バスで室堂へ(室堂はマイカー乗り入れ不可)。
参考:[立山黒部アルペンルート 時刻表]
2.【帰り】室堂 → 美女平 → 立山駅
下山後は室堂から立山高原バスで美女平へ(約50〜70分・3,000円)、美女平で立山ケーブルカーに乗り継いで立山駅へ(約7分・1,090円)。室堂発の最終バスはおおむね17:00頃で、雷鳥坂の下りに時間の余裕をもって早めに行動する。
運行期間:通常ダイヤ 2026年4月15日〜11月3日(年度PDF)。
時刻表②:室堂 →(高原バス)美女平 →(ケーブル)立山駅(復路・接続)
| 室堂 発(高原バス) | 美女平 着 | 美女平 発(ケーブル) | 立山駅 着 |
|---|---|---|---|
| 08:10 | 09:00 | 09:10 | 09:17 |
| 10:00 | 10:50 | 11:00 | 11:07 |
| 12:00 | 12:50 | 13:00 | 13:07 |
| 14:20 | 15:10 | 15:20 | 15:27 |
| 16:20 | 17:10 | 17:20 | 17:27 |
| ◆17:00 | ◆17:50 | ◆18:00 | 18:07 |
◆印=特定運行日のみ(4/15〜5/15、7/18-19、8/11〜15、9/19〜22、10/10-11)。最終便を逃さないよう余裕をもって下山する。
参考:[立山黒部アルペンルート 時刻表]
登山ルートと安全上の注意
ルート(室堂〜雷鳥坂往復):室堂ターミナル → ミクリガ池・雷鳥荘 → 雷鳥沢キャンプ場・浄土橋(約45分・標高差約200mの下り)→ 雷鳥坂の急登 → 剱御前小舎・別山乗越(約2時間・標高差約500m)→ 剣御前山頂(約20〜30分)。室堂から剣御前まで登り約3時間、下り約2時間30分。室堂の朝一番の便で入れば日帰りも可能だが、最終バスに余裕をもって行動する。
宿泊:別山乗越に剱御前小舎(標高約2,750m・2026年4月28日〜10月17日宿泊営業・電話予約のみ℡080-8694-5076〔7:00頃〜19:50頃〕・4〜6月は宿泊料金+1,500円)。テント泊は乗越から剱沢へ下った剱沢キャンプ場、または室堂側の雷鳥沢キャンプ場を利用する。剱御前小舎は剱岳の好展望地で、剱岳・別山・剱沢へ向かう登山者のベース基地になっている。
雷鳥坂:雷鳥沢から別山乗越までの登りは標高差約500mの長い急登で、本コース最大の頑張りどころ。残雪期(おおむね6月まで)は雷鳥坂に雪渓が残り、滑落のおそれがあるため前爪アイゼン・ピッケルと滑落停止技術が必要。
剣御前の山頂:別山乗越から尾根づたいに登ると剣御前の山頂に出る。剱沢を挟んで剱岳が大きく望め、立山・後立山連峰・毛勝三山まで見渡せる大展望。稜線は遮るものがなく、強風・落雷・ガス(濃霧)時は注意し、視界不良時は無理をしない。
別山乗越から先:乗越から北へ別山(南峰2,874m・北峰2,880m)、東へ剱沢を下って剱岳方面へ縦走路が分かれる。剱岳本峰はカニのタテバイ・ヨコバイなど鎖場が連続する国内屈指の難所で、本記事の対象外。剣御前単独であれば鎖場はないが、高山帯特有の天候急変と長い登降に備える。
季節・装備:無雪期の適期は7月中旬〜10月上旬。室堂は標高約2,450mと高く真夏でも朝晩は冷えるため、雨具・防寒着・帽子・手袋を携行する。ヘッドランプ・地図・十分な水と行動食も必須。
緊急時:遭難・事故時は110番(警察)・119番(消防・救助)へ。富山県警察山岳警備隊が立山・剱エリアを管轄する。室堂・剱御前小舎で最新の登山道・気象情報を確認してから入山する。
Photo by Alpsdake / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
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