祖父岳
祖父岳(じいだけ、標高2825m)は北アルプス最奥部・雲ノ平の東にそびえる日本百高山のひとつ。
雲ノ平の溶岩台地を生んだ火山で、山頂は石英安山岩の礫とケルンに覆われた広く平らな頂。水晶岳・鷲羽岳・薬師岳・黒部五郎岳・雲ノ平の大展望が360度に広がる、北アルプス最奥の好展望峰。「日本最後の秘境」雲ノ平の盟主で、雲ノ平山荘から往復約1時間20分と近く、水晶岳・鷲羽岳の周回縦走でも踏む。最短は折立から太郎平・雲ノ平を経る2泊3日。
玄関口は折立。富山地方鉄道・有峰口駅から夏山バス(有峰線)で折立に入れ、公共交通でアプローチできる。
折立への夏山バスは例年7月中旬〜9月下旬の運行(毎日運行期間と土日祝限定期間あり、年度により変動)。完全予約制で、乗車日の1ヶ月前から予約可。
● 予約:富山地鉄乗車券センター TEL 076-442-8122(9:00〜18:00)または発車オーライネット
● 最新時刻表・運賃:富山地方鉄道 公式「夏山バスのご案内(有峰線)」
運行期間外(10月〜6月)は折立への公共交通アクセス手段がなく、雲ノ平・祖父岳への入山も実質不可となる。
祖父岳は薬師岳・水晶岳・鷲羽岳に囲まれた雲ノ平の中心に位置し、上高地・新穂高温泉からの長縦走でも到達できる。本記事では富山側からの最短ルート(折立起点)を中心に解説する。山頂部は緩やかで広いため、ガスが出ると方向を見失いやすく、ケルンを確認しながら歩く。適期は夏山バス運行+小屋営業の7月中旬〜9月下旬。
登山口までのアクセス
1.【行き】富山駅 → 有峰口駅 → 折立(夏山バス)
JR富山駅で富山地方鉄道に乗り換え、有峰口駅で下車。駅前から富山地鉄バス「夏山バス(有峰線)」に乗り、終点の折立で下車する。富山駅前からの直通バスもある。折立は薬師岳・黒部源流域・雲ノ平への最短登山口。夏山バスは例年7月中旬〜9月下旬の運行・完全予約制で、運行期間外(10〜6月)は折立への公共交通がなく入山は実質不可。
所要:有峰口駅 → 折立 約60分/富山駅前 → 折立 約2時間20分。運賃:有峰口駅 → 折立 約1800円/富山駅前 → 折立 約3300円(往復券あり)。折立から雲ノ平山荘までは太郎平・薬師沢を経て約10時間(標準2泊3日)。
● 運行期間:例年7月中旬〜9月下旬(土日祝限定期間と毎日運行期間あり)。
● 始発:富山駅前 6:30頃/有峰口駅 7:30頃(年度により異なる)。
● 完全予約制:乗車日1ヶ月前から予約可、当日空席があっても予約優先。
● 折立駐車場は無料(自家用車利用の場合)、約100台。
※ 具体時刻は富山地方鉄道 公式で要確認(画像PDF形式)。
参考:[富山地方鉄道 夏山バス(有峰線)]
2.【帰り】折立 → 有峰口駅 → 富山駅
折立バス停から夏山バスで有峰口駅または富山駅前へ戻る。直通バスのほか、有峰記念館で乗り継ぐ便もある。所要:折立 → 有峰口駅 約50分/折立 → 富山駅前 約2時間。運賃は往路と同額。こちらも完全予約制のため、下山日に合わせて1ヶ月前から予約しておく。下山後の日帰り温泉は、一つ手前の亀谷温泉で下車すると白樺ハイツに立ち寄れる。
参考:[富山地方鉄道 夏山バス(有峰線)]
祖父岳の登山ルートとコースタイム
ルート①:折立・雲ノ平ルート(標準・2泊3日)
1日目 折立 → 三角点 → 太郎平小屋(約5時間/泊)。2日目 太郎平 → 薬師沢小屋 → 雲ノ平山荘(約6時間/泊・午後に雲ノ平散策)。3日目 雲ノ平山荘 → 祖父岳(2825m・往復約1時間20分の登り) → 薬師沢 → 太郎平 → 折立。祖父岳は雲ノ平山荘から最も手軽に登れる頂で、広い山頂から水晶岳・鷲羽岳・薬師岳・黒部五郎岳の大展望が広がる。
ルート②:水晶・鷲羽の周回縦走(3泊4日)
折立 → 太郎平 → 雲ノ平 → 祖父岳 → ワリモ岳 → 水晶岳 → 鷲羽岳 → 三俣山荘 → 黒部源流 → 太郎平 → 折立。祖父岳は黒部源流・岩苔乗越から三俣・水晶方面へ抜ける十字路でもあり、新穂高温泉から双六・鷲羽を経る長縦走の通過点にもなる。
山小屋・宿泊
雲ノ平山荘(標高2560m):祖父岳登降の拠点となる山小屋で、収容約100名(℡080-1951-3030)。雲ノ平キャンプ場(祖父岳寄り)も利用できる。太郎平小屋(2330m)・薬師沢小屋(1900m)は折立からの往路で前泊・中継に使う。いずれも夏期営業は7月初旬〜10月初旬で、完全予約制。
縦走時の小屋:水晶・鷲羽方面へ縦走する場合は水晶小屋・三俣山荘・双六小屋などを利用する。いずれも公式サイト・電話で予約・営業期間を確認する。
水場:折立登山口・薬師沢小屋・太郎平小屋・雲ノ平山荘で給水できる。縦走中は十分な行動水を持つ。
危険箇所・装備・適期
難易度:祖父岳の登り自体は危険箇所の少ない緩やかな道だが、雲ノ平は北アルプス最奥の「秘境」で、登山口の折立から雲ノ平まで標準2泊3日を要する。長大なアプローチに耐える体力と日程が前提で、初級者向きではない。
広い山頂のルートロスト:祖父岳の山頂部は広く緩やかで、ガスが出ると方向を見失いやすい。点在するケルンを確認しながら歩き、地形図・コンパス(GPS)を必携する。
長いアプローチ:折立 → 太郎平 → 薬師沢 → 雲ノ平は累積標高差・距離とも大きい。薬師沢から雲ノ平への急登(直登)は体力を要する。天候悪化時のエスケープが乏しいので、余裕のある日程を組む。
アクセスの制約:夏山バスは7月中旬〜9月下旬の運行・完全予約制で、それ以外は折立への公共交通がなく入山困難。小屋の営業期間と合わせて計画する。
適期・装備:適期は夏山バス運行+小屋営業の7月中旬〜9月下旬。雨具・防寒着・ヘッドランプ・十分な水と行動食を携行し、登山計画書を必ず提出する。テント泊装備を持つ場合は雲ノ平キャンプ場を利用する。
緊急時:遭難・事故時は110番(警察)・119番(消防・救助)へ。
・富山県警察山岳警備隊 076-441-2211
Photo by 住友快左衛門 / Wikimedia Commons, Public domain
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