別山
別山(べっさん、標高2880m)は富山県の立山連峰にあり、立山(雄山)の北の稜線にそびえる日本百高山のひとつ。
南峰(2874m・別山神社の祠と二等三角点)と最高点の北峰(2880m)からなる双耳峰で、鞍部には高所の池・硯ヶ池がある。浄土山・雄山とともに「立山三山」を成し、北峰からは剱沢を隔てて剱岳の雄姿を間近に望む屈指の展望地で、剱岳が登れなかった時代には山頂に剱岳の遥拝所が置かれた。登山口は立山黒部アルペンルートの室堂(標高2450m)で、室堂までは公共交通機関だけで上がれる。
富山地方鉄道・立山駅から立山ケーブルカー(約7分)で美女平へ、立山高原バス(約50分)に乗り継いで室堂ターミナル(標高2450m)へ。室堂から雷鳥沢・雷鳥坂を経て別山乗越(剱御前小舎・2750m)に上がり、別山の山頂を踏むのが最短ルートで、登り片道約3時間30分〜4時間。雄山・大汝山・真砂岳を縦走してから別山に立つ「立山三山周回」も人気で、室堂を起点に1日(約6〜8時間)または山小屋1泊で歩く。
稜線の拠点は別山乗越に立つ剱御前小舎(電話予約制・℡080-8694-5076・2026年は4月28日〜10月17日営業)。適期は残雪が消える7月中旬〜10月上旬で、それ以前は雷鳥坂や別山乗越直下に雪渓が残りアイゼン・ピッケルが必要。
登山口までのアクセス
1.【行き】立山駅 → 美女平 → 室堂(登山口)
登山口の室堂(標高2450m)へは、富山地方鉄道・立山駅から立山ケーブルカー(約7分)で美女平へ上がり、立山高原バス(約50分)に乗り継ぐ。ケーブルカーと高原バスは乗り継ぎダイヤで運行される。立山黒部アルペンルートは通年マイカー乗り入れ不可で、室堂まではこの交通機関が唯一のアクセス(2026年の運行期間は4月15日〜11月30日、室堂までの通常ダイヤは4月15日〜11月3日)。運賃は立山駅〜室堂が片道4090円(ケーブルカー1090円+高原バス3000円)。
バス時刻表①:立山駅 → 美女平 → 室堂(立山ケーブルカー+立山高原バス・往路)
| 立山駅 発(ケーブル) | 美女平 着 | 美女平 発(高原バス) | 室堂 着 |
|---|---|---|---|
| ▼6:40 | 6:47 | ▼7:00 | 7:50 |
| 7:20 | 7:27 | 7:40 | 8:30 |
| 8:00 | 8:07 | 8:20 | 9:10 |
| 8:40 | 8:47 | 9:00 | 9:50 |
| 9:20 | 9:27 | 9:40 | 10:30 |
| 10:00 | 10:07 | 10:20 | 11:10 |
| 10:40 | 10:47 | 11:00 | 11:50 |
| 11:40 | 11:47 | 12:00 | 12:50 |
| 13:00 | 13:07 | 13:20 | 14:10 |
| 15:00(最終) | 15:07 | 15:20 | 16:10 |
始発(立山駅6:40発・室堂7:50着)に乗れば、別山乗越経由の最短ルートでも日帰りで山頂を往復できる。室堂は人気が高く、夏山シーズンや紅葉期は始発の乗車券が早朝に売り切れることがあるため、前日までのきっぷ事前予約(WEBチケット)を利用すると確実。
参考:[立山黒部アルペンルート 時刻表]
2.【帰り】室堂(登山口) → 美女平 → 立山駅
下山後は室堂ターミナルから立山高原バス(約50分)で美女平へ下り、立山ケーブルカー(約7分)に乗り継いで立山駅へ戻る。運賃は片道4090円。室堂発の最終便は時期により変動するため、別山乗越からの下りに時間がかかることを見込み、余裕を持って最終便に間に合わせる。
バス時刻表②:室堂 → 美女平 → 立山駅(立山高原バス+立山ケーブルカー・復路)
| 室堂 発(高原バス) | 美女平 着 | 美女平 発(ケーブル) | 立山駅 着 |
|---|---|---|---|
| 8:10(始発) | 9:00 | 9:10 | 9:17 |
| 9:20 | 10:10 | 10:20 | 10:27 |
| 10:40 | 11:30 | 11:40 | 11:47 |
| 12:00 | 12:50 | 13:00 | 13:07 |
| 13:40 | 14:30 | 14:40 | 14:47 |
| 15:00 | 15:50 | 16:00 | 16:07 |
| 16:20 | 17:10 | 17:20 | 17:27 |
| ◆17:00 | ◆17:50 | ◆18:00 | 18:07 |
参考:[立山黒部アルペンルート 時刻表]
別山の登山ルートとコースタイム
ルート①:雷鳥坂ルート(最短・往復)
室堂ターミナル(2450m) → みくりが池 → 雷鳥沢キャンプ場(2280m/約1時間) → 雷鳥坂の登り(約1時間50分) → 別山乗越・剱御前小舎(2750m) → 別山 南峰(2874m/約30分) → 別山 北峰(2880m/約10分)。登り片道の合計は約3時間30分〜4時間。雷鳥沢へいったん下ってから雷鳥坂を登り返す行程で、別山乗越までの標高差約470mのザレた登りが核心。別山乗越で剱岳側の展望が一気に開け、稜線をたどると南峰の別山神社、さらに北へ進むと最高点の北峰に着く。下りは往路を戻る。
ルート②:立山三山周回(雄山・大汝山経由)
室堂 → 一ノ越(約1時間) → 雄山(3003m/約1時間) → 大汝山(3015m・立山連峰最高点) → 富士ノ折立 → 真砂岳(2861m) → 別山 → 別山乗越 → 雷鳥坂 → 雷鳥沢 → 室堂。1周の総コースタイムは約6〜8時間で、健脚なら日帰り、ゆとりを持つなら別山乗越か室堂周辺の山小屋で1泊する。立山三山をすべて踏める王道ルートで、雄山〜富士ノ折立は岩稜帯の歩きとなる。時計回り(雄山先)・反時計回り(別山先)のどちらでも歩ける。
山小屋・宿泊
剱御前小舎(つるぎごぜんごや・別山乗越 2750m):別山に最も近い稜線の山小屋で、雷鳥坂ルート・剱岳方面・立山三山縦走の交差点に立つ。電話予約制(℡080-8694-5076)。2026年の営業は4月28日〜10月17日。料金は1泊2食14000円/素泊まり11000円(4〜6月は各+1500円)。
内蔵助山荘(くらのすけさんそう・真砂岳の東 2760m):立山三山周回で雄山側から縦走する際の宿。完全予約制で1泊2食13200円、営業は概ね7月中旬〜9月下旬(連絡所℡076-482-1518)。
室堂周辺の拠点:みくりが池温泉・雷鳥荘・雷鳥沢ヒュッテなどの山小屋と雷鳥沢キャンプ場があり、室堂を起点にした前泊・後泊やテント泊の拠点になる。いずれも公式サイトで予約・営業期間を確認する。
危険箇所・装備・適期
難易度:別山そのものには鎖場やハシゴはなく、立山連峰のなかでは比較的登りやすい。隣の剱岳のような難所(カニのタテバイ等)はない。ただし全行程が森林限界より上の高所のため、油断は禁物。
雷鳥坂:別山乗越までの標高差約470mの長い登りで、ザレ・浮石が多い。雨天時は滑りやすく、下りでの転倒に注意。
稜線の気象:別山乗越から先の稜線は強風・落雷・急なガスにさらされる。ガス時はルートを見失いやすいので、地図・コンパス(GPS)を携行し、雷の予兆があれば稜線を避ける。
残雪:6月〜7月上旬は雷鳥坂や別山乗越直下に雪渓が残り、軽アイゼン・ピッケルが必要。雪の状況は剱御前小舎や室堂のターミナルで確認する。
高山病:室堂(2450m)からほとんど標高を稼いだ状態で一気に2880mへ登るため、高山病に注意。こまめな水分補給とペース配分を心がける。
適期・装備:適期は7月中旬〜10月上旬。高山植物は7〜8月、紅葉は9月下旬〜10月上旬が見頃。雨具・防寒着・帽子・手袋・ヘッドランプ・行動食を必ず携行する(夏でも稜線は冷え込む)。
緊急時:遭難・事故時は110番(警察)・119番(消防)へ。富山県警察山岳警備隊が立山・剱岳エリアを担当する。入山届(登山届)を必ず提出し、室堂や剱御前小舎で最新の登山道・気象情報を確認する。
Photo by Naokijp / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
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